257. BMW M4（AT） とボクスター981（MT、素）のガチンコ対決

2016年1月22日（金）の夜、楽しみにしていたBMWのM4の試乗を行いました。試乗時間は無制限、首都高速だろうが、一般道路だろうが好きなだけ走れるという試乗ですね。思う存分、M4を堪能しようと意気込みました。


さあ～、行くぞー！！！　とエンジンをかけ、出発した瞬間でした。


あれっ？？？？　何じゃ、このエンジン音は？？？


以前、新型M3に試乗した際にもガッカリしたエンジン音だったのですが、今回もやはりM4のエンジン音には驚きました。いい意味ではなく、悪い意味です。


どうして、どうして、どうしたのかBMWよ！！　一体、何があったんだよって思いました。いわゆるエンジン音じゃないじゃないですか。電気モーターのブ～ン、ブ～ンというモーター音。ブリッピング時はブ～ン、ブ～ンというモーター音が鳴り響き、助手席の元BMW営業のK君の話声がまるで聞こえない。。。。　モーター音ではなく、エンジン音なんですよね、これが。。。。　


これは一体、何じゃ？？？　正直、相当にガッカリしました。これでは回す気にならんな～ってマジで思ったのです。


無制限で走っていいはずの試乗は、僅か20分程度で終わりました。というか、エンジン音がガッカリだったので、ガンガンに試乗する気になりませんでした。その位のショックでした。


首都高速、一般道路は交通規則に定められた速度前後でチェックしました。ボクスター981のMTでは、街中のトロトロ運転でも本当に楽しめるのですが、M4の場合は全く楽しむことが出来ませんでした。一言でいえば、乗用車でした。乗用車にバカがつくほどの強いエンジンを積み、戦車にしたような感じでした。スポーツカー特有の色気、危なげなフィーリング、官能性が無いんですよ。面白いクルマって、何もスピード出す必要も無いんですね。M4が街中運転で何故、面白くないか論理的に説明できなかったです。運転しながら、どうして面白くないんだろうって悩みました。現実的には面白くない、つまり、将来このクルマを買うことは無いと判断したので、試乗を20分でやめたのです。無制限で走れる機会が与えられていたのにです。。。


街中のトロトロ運転であっても、ボクスター981には、官能性、走りの色気、危なげなフィーリングがあるんです。964型911にはもっとありました。ロータスは964型911よりももっとありました。964型911に乗った後に、ボクスター981に乗ると、ガッカリしました。ロータスに乗った後に、ボクスター981に乗ると、もっとガッカリしました。意気消沈するほど、ボクスター981が退屈に思えました。ランボルギーニに乗って、普通にトロトロ運転した時も、脳ミソが溶けそうになるほどワクワク感がありました。ボクスター981が退屈だと言っても、相手がロータスやランボ、空冷911等のクルマと比較してしまうからであり、そんなボクスター981でも、M4と比較すると、やはり街中運転だけでも相当に楽しいな～って思いました。


勿論、サーキット走行になれば、M4は相当に楽しいクルマに大変身することは容易に想像できました。しかし、僕にとって大事なことは、日常の普通のドライブでのワクワク感なんです。渋滞時でもワクワク感があるかなんです。街中の信号待ちから加速し、次の信号で曲がるようなトロトロ運転でワクワク感があるかなんです。時速0～80kmまでの間の走行でどこまでワクワク感があるが僕には非常に重要であり、そういう意味では、ボクスター981のMTは僕個人には合格なんです。


その視点だけで検証しますと、M4は明らかに不合格でした。エンジン馬力はボクスター981の素モデルよりも、170馬力も大きいのですが、スピード感はボクスター981の方があります。つまり、普通の何てことない加速の領域で、ボクスター981の方が「お～、加速してんな～」って楽しめるんですね。ロータスやランボ、964型911にもありました。又、991型のPDKの911にも感じます。MTかPDKの問題ではないです。


どちらの方がニコニコ顔になれるかどうかなんですが、M4はなれなかったです。


M4は決して悪いクルマではないと思います。しかし、ボクスター981（素、MT）の2倍近い金額です。どうやっても、割高だと思いました。


ちっとも楽しく無かったので、あっと言う間に試乗をやめてしまいました。K君も多少驚いていました。「あれっ、試乗はもういいんですか。今日が僕のBMW辞める前の最後の営業日なんですが。。。」と。　僕は言いました。「ありがとう。もう十分です。街中運転での楽しさをチェックしたかったんだけど、あまりワクワク感が無かったよ。う～ん、残念」


M4は430馬力ある凄いクルマなんでしょうが、街中でのスピード感、楽しさ、ワクワク感が乏しく、普通の乗用車のように感じました。サーキットでガンガン走れば楽しいのでしょうが、それは僕が期待しているものではないので、不合格ということで結論を出しました。但し、後部座席が大変に広いこと、トランクルームも大きく、ゴルフバッグが置けることで、日常使いには大変によろしいかと思います。


但し、但しです。あのエンジン音はどうしても納得できない、というか好きになれないです。ドッチラケでした。ムードをぶち壊すようなエンジン音です。レーシーではなく、コンピューターゲームのような作られた音ですね。。。　あれだけは好きになれない。これが決定打でした。


試乗後、妻も含め、いつものように皆でご飯を一緒に食べました。しかし、どっちらけの試乗でしたので、M4の話は一切無かったです（笑）。K君の独立話に終始しました。夕食後、K君がM4で出発しました。ブ～ンというエンジン音を奏で、去って行きました。


妻が言いました。「なんじゃ、あのエンジン音は？？　こりゃ駄目だわね。。セミでも鳴いているのかしら。。。」


僕もその意見に納得でした。


楽しみにしていたM4の試乗をあっけなく終了してしまい、期待外れに終わっただけに残念な気持ちです。乗用車か？　やっぱりという気持ちでした。正直、マカンSの方が全然、街中運転が楽しかったです。マカンSを見直しました。


M4は確かに凄いクルマだとは思うのですが、街中運転でのワクワク感が乏しいのは残念でした。サーキット走行をしなくても楽しめるクルマかどうかをチェックしたかったのですが、不合格となりました。


残念。M3、M4に対する憧れが強かっただけに、今日の試乗で不合格となり、「If　金があれば、買いたいクルマ」のリストから、消えました（意味が無いですよね、このリストは）。昨日を持って、M3、M4の情報収集を一切中止することにしました（情報収集しても金無いから買えないっちゅうにね）。


虚しい気持ちがこみ上げてきました。M3、M4に対する期待度が高かっただけに。。。。


そういう気持ちで一杯になった状態で、確認のために、ボクスター981のエンジンをかけました。バ～ン、ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ、ブルブルブル。。。。　不定期に響き渡るエンジンが唸り声を上げて、出発をまだかまだかと待っています。


いかん、いかん、やはりオレにはこのサウンドじゃないと駄目だと思いました。964型空冷911や、ロータス、ランボのエンジン音じゃないとオレは駄目だと思ったのです。勿論、嗜好の問題はあります。しかし、オレにはM4、M3の電気モーター音はやはり馴染めない。もっと、悪の音、鳴いてくれる音、苦しみ咳き込む音じゃないと駄目だと。。。


M4、M3、さようなら。。。。（涙）。。。。期待していたけど、僕の嗜好ではなかった。とてもいいクルマだと思うけど、どうしても君のエンジン音が好きになれなかった。街中運転でのワクワク感の無さが物足りなかった。