2013年4月17日水曜日

45. ポルシェでセナ足遊び

前のブログにも記載しましたが、ボクスター981がスポーツカーで試乗で乗った86にスポーツカーを感じなかった理由の一番がエンジンのフィーリングでした。

ポルシェは何もいじらなくても、そのままサーキットでスポーツ走行が出来ると、知り合いのレーサーが言います。素のままの状態でサーキット走行可能だと。。。

なるほどと最近、思います。

ユイでの限界走行、中吹かしやヒール&トウをするようになってよくわかってきました。

とりわけエンジンは鍵となります。

ユイレーシングスクールでトム先生が僕のボクスター981に乗り、コーナーを限界走行した際、アクセルを瞬時に微妙に「開ける閉める」のセナ足を使って車の挙動を確認していました。セナのF1走行時のいわゆる「セナ足」は有名ですが、微妙な「開け閉め」をコーナー限界走行時に使うと車の挙動が本当によくわかります。但し、「開け閉め」が瞬時に反応することが条件ですよね。ポルシェの場合、本当に微妙なアクセルの「開け閉め」にものの見事に反応してくれます。エンジンが瞬時に「ワウワウ」息をするフィーリングは他のマシンではあまり無かったです。86やスバルのWRXにはそれがありませんでした。恐らく、エンジンチューニングをかけないと瞬時反応はしないのだろうと思います。素の状態のままではダメで、いじらないと反応性が悪いのだと思います。

ユイレーシングスクールでの体験では、ポルシェのエンジンは素の状態のままでも、相当に反応が良いので、「セナ足」を楽しむことができました。僕も限界走行時に「セナ足」を何度も体験させて頂きました。これ、結構面白いです。ヤバい速度で突っ込みすぎたかなって時に、車の挙動を安定させるために、アクセルの開度を瞬時に微妙に調整することで荷重状態をコントロールし、前後タイヤのグリップ力を均等化させ、エンジンがワウワウ言いながら、コーナーをクリアしていく感覚です。

コーナーリングの最中、ヤバいかヤバくないかを瞬時に判断し、アクセル開度を瞬時に微妙に調整すると「ワウワウ」エンジンが息をするのですが、車の挙動がそれにより劇的に変わるので、本当に勉強になります。

ボクスターの場合、アクセル開度を少しでも多めにすると荷重が後ろに移動するのがわかります。逆に弱めると荷重が前に移動するのがわかります。それにより、前後タイヤのグリップ力がどうなっているのかも感じることができるのですね。ユイレーシングでは、「セナ足」によって、前後タイヤのグリップ力がほぼ均等になるように荷重調整を常に行うことが速く安定して走ることの基本だと教えられました。勿論、状況に応じて前後荷重状態を大幅に意図的に変えることも必要でしょうが、まずは基本は前後荷重を均等になるようにアクセル、ブレーキでコントロールすることでアンダーステアやオーバーステアを解消し、速くコーナーを回るということでしょうか。。。。

コーナリングの際のこの絶妙なマネジメントを実に繊細に行うことができるのがスポーツカーだと教えられましたが、それが理解出来てきました。サーキットでのポルシェ乗りは、アクセルを右足の親指で微妙に触れるだけで開度をコントロールしていますよね。このぐらい繊細なタッチに見事に反応してくれるのがポルシェです。

MINI Cooper Sもスポーツカーライクですが、同じ操作をしても車が全然反応してくれないです(爆笑)。反応するまでに数秒かかりますよ。「よっこらしょ」って感じです。逆に言えば、ゆっくり操作の勉強にはなります。中吹かしにしても、ヒール&トウにしても、数秒単位での「よっこらしょ」的な操作でリラックス操作が必要です。エンジンの吹き上がり、回転落ちが相当にゆっくりで反応性が悪いのでこうなります。

MINI Cooper Sの運転が全然面白くなくなってしまった理由がそこにあります。

昔、ファミリア、シビックといった大衆車でなかなか中吹かしやヒール&トウが出来なかった理由がエンジンの反応性の悪さであることが分かってきました。反応に数秒かかるので、それを見越して、ゆっくり操作をしないとタイミングが合わないのですね。ポルシャの場合、瞬時に反応してくれるので、タイミングが合いやすく、中吹かしやヒール&トウがやりやすいです。自動車運転のイロハはポルシェだと学びやすいな~って実に思います。中吹かし、ヒール&トウは勿論、荷重移動、ブレーキング、ハンドリング、アクセルコントロール等、全ての運転テクニックはポルシェであれば実に勉強しやすいと思います。ダイレクトに反応してくるので、学びやすいということでしょうか。

「安全にスムーズに速く走る」ということが一体、どういうことなのかをポルシェという車を通じて学ぶことができるのです。逆にポルシェで学んだ後に、同じ操作を他の一般車でやろうとすると、あまりのスローモーションでびっくりすることになります(笑)。全ての操作をワンテンポ、ツーテンポ遅らせてゆっくりやらないとタイミングが合わないです。。。。

また、大衆車であればアクセル反応性も悪いので、ポンと触れるだけでは全く反応しないですよね。ボクスター981で中吹かしする感覚で、MINI Cooper Sで中吹かしをしても、エンジンはうんともすんとも言わないです(大爆笑)。ボクスターの場合、1mm踏んでも見事に反応しますが、Cooper Sの場合は1mm踏んだだけでは何も起こらないです。2cmぐらい踏まないと反応しないです。これ本当です。「セナ足」がポルシェがやりやすくて、他の大衆車がやりずらい理由がそれです。

私はボクスター981のアクセルに大分、慣れて来ました。まさに1mm単位の「ポン踏み」です。コーナリングの際の微妙なコントロールが快感になってきました。荷重状態を感じながらのアクセル開度の調整です。

逆に言えば、ポルシェを乗り過ぎてしまうと運転が下手になると思いました。車の状態がよくわかりますし、車が見事に反応してくれるからです。同じ調子で、MINI Cooper Sに乗っても、スムーズに速く走らせることはできないと思いました。車の状態を感じることが難しくなるからです。上級者でなければ、一般大衆車を速く走らせることは難しいと逆に思っています。

どんな車に乗っても車の状態を瞬時に把握し、コントロールし、速く走らせることができるには、相当に鍛練が必要だと思います。まさにプロのレーシングドライバーの存在意義がそこにあるのでしょうね。僕には到底できることではないなと思います。難易度は相当に高いです。

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