1月14日(月曜日)に、関東地方にとんでもない雪が降りました。7年ぶりの大雪です。と言っても雪国の方からすれば笑ってしまうほどのレベルです。たった7cmの雪で東京を中心として神奈川、千葉、埼玉はパニック状況、交通マヒです(爆笑)。情けないやら。。。 雪国の知り合いに後日、電話したところ、親切にも励ましてもらったほどです。心の底は笑っているのでしょうが。。。。(苦笑)。。。。 雪国では当たり前のようなスタッドレスタイヤ、チェーンは東京では生まれてから死ぬまで使ったことが1度も無い人が大半だと思います。スキーをやる人以外は無いでしょう。。。
僕自身も19才で自動車免許を取得して、48才になる29年間、一度もスタッドレスもチェーンも触ったことすらありません。このまま触わることも無く死んでいくのでしょう。。。
こんな状態ですので、先日のような雪が降ると、地獄です。
14日は東京から350km離れた名古屋の親戚の家からボクスターで帰ってくる最中でした。名古屋を出たのが、14日の昼の11時30分、自宅についのたが、何と15日の朝の7時でした。ということは、350kmを走るのに、約20時間かかってしまうというとんでもないパニックに遭遇したのです。とりわけ、自宅から50km離れた厚木に着いたのが14日の昼の16時でしたので、そこから自宅まで約16時間弱かかったことになります。
50kmを走るのに16時間とはどういうことですか!! 時速3kmです。その間、ボクスターで半クラッチですよ。。。死ぬかと思いました。酷い時は、500m行くのに3時間かかりました。50m先のガソリンスタンドの便所に駆け込もうと思ってから約2時間、車が止まったままだった時は膀胱が破裂するかと思いました。車を降りて、道路に立ちションもしました。前の車の外国人ドライバーはおしっこをもらしてGパンがビショビショになっていました。可愛そうでした。日本人みたいに立ションの文化が無いのでしょうね。日本人はマナーが悪いな~って思います。
そんな雪道で何と、ボクスター981(MT)が立ち往生。半クラ発進が急に出来なくなるトラブルが発生!! ハザードをつけました。後続の車が「何だこの車は?」と見ながら、皆、車線変更をして追い越していきます。追い越すと言っても渋滞しているのですから、大混乱を巻き起こしました。
「ヤバい、相当にヤバい」
「焦るな、焦るな」と自分に言い聞かせながら、何故、半クラ発進が急に出来なくなったか考えました。しかし、道路のど真ん中で車はうんともすんとも言いません。
「ランクルならデフロックの登場なんだがな~、この野郎、ボクスターは何故、止まっちまうんだよ」と苦しみました。道路のど真ん中で止まること約30分。大渋滞をさらに悪化させる原因を作り出している罪悪感に苦しみました。
車はうんともすんとも言いません。タイヤが空転している状態でもありません。
ついに、ポルシェ緊急コールセンターに電話です。しかし、全くつながりません。
「何故、つながらないんだ! 何が緊急コールセンターなんだ!」と思いました。後で知った話ですが、東京で多くのポルシェ車がスタックし、緊急コールセンターの回線が埋まっていたそうです(笑)。カイエンもスタックしていたと。。。(笑)。「ニャ~るほど」と思ったのは後日です。。。
「ポルシェは当てにならない。よ~し、JAFだ。」とJAFに電話です。「大渋滞ですので、到着予定はあと5時間後になります。大丈夫ですか!」と最悪な返事。
「大丈夫ではないが、待つしかないのか!」と僕。
「待って頂く以外にございません。雪による大パニック状態ですので、他にもトラブルが続出しておりますし、移動もできない渋滞ですので待って頂く以外にございません」
「わかった。待ちます。来てください」と僕。
しかし、困った。困った。しかし、ボクスターはこんなにヤワな車なのか!???
妻が、「もうこの車には乗らないわ。酷過ぎる。こんなに狭い空間に閉じ込められて、おしっこもできないし、このままだと東京に着くのにあと10時間以上はかかるでしょ。もうおろして欲しいわ」と怒鳴りちらします。
「まあまあまあまあ、こんなこともあるよ。そうだ、ポルシェ目黒のH氏に電話しよう」と言って、H氏の携帯に電話しました。
事情を説明しました。雪道のど真ん中でスタックしてしまって発進ができないことを説明しました。状況としては、後輪が空転もしないし、うんともすんとも動かない状態であることを説明しました。
H氏のアドバイスは次の通りでした。
「PSMを解除してください」と!
「エっ! PSMを解除ですか??」と僕は驚きました。PSMはLSD機能やABS機能やその他、もろもろの機能がついているポルシェ固有の機能です。何故、PSMを解除しないといけないのが頭が回転しませんでした。
悩んでいる暇はありませんでした。
そこで、アドバイスに従い、PSMを解除しました。ギアをローに入れ、半クラ発進を試みました。しかし、ボクスターは全く動きません。
「PSMを解除しても動きません」とH氏に泣きを入れました。
「おかしいな~? 何故だろう。」とH氏。
「まずはもうちょっとトライしてみます。有難うございました」と僕。
その後は、PSMを解除して半クラ発進を試みましたが、全く動かず状態です。
その時、僕は妻に「運転を変わってくれ、外から車の挙動を見る」と言いました。妻は、東京から名古屋、名古屋から東京に戻る道中、ただの10秒も運転をしてくれていなかったのです。僕は妻に、「いい加減にちょっと運転してくれ。外で挙動を見たい」と言いました。妻は「バカ言うな。スタックの責任ぐらい自分でとれ。人に頼るな」と一蹴です。
また自分でトライしました。しかし、結果はやはり動かずです。1時間以上経ちました。途方にくれました。PSMを解除してもダメです。トランスミッションが破損? まさか?? ポルシェはクラッチが弱い?? まさか?? こんなヤワな車であるはずがない。データでは、ボクスターは故障率が日本車よりも低いとヨーロッパで市場データが発表されている(どこのデータかよ!)。
「う~ん、どうしよう」と悩みました。道路のど真ん中でスタック。大往生。
1時間30分が経過しました。
妻が重い腰をようやくあげました。「私が変わる。どけ」
「俺、ちょっと外で挙動見るよ。運転してみてくれ」と僕。
さあ、どうか。動くわけはありませんでした。
しかし、結論はあっさりと動きました。
「アレ????」
「どうして動くの????!!!!」
妻曰く、「エレクトリック・パーキングブレーキのランプがついているので消した」と!!!
さらに、妻は、「パーキングブレーキがかかっているならば発進するわけないでしょ、バカ!!」と。
僕曰く、「ボクスターのパーキングブレーキは発進すれば自動解除になるのだから、消す必要は無いんだ」と。
妻曰く、「バカやろう。それは原理原則論でしょ。発進できないのだから、自動解除になるわけないでしょ。柔軟に考えなさいよ。こういうトラブルはシステムを信じちゃダメ。頭でっかちじゃ解決しないのよ。取扱説明書に書いてない?? 取扱説明書に書いてなくても、頭を回転すればわかるでしょ! 最近の奴って融通が利かない奴が多すぎる。創意工夫が無くて、何でもパターンに当てはめようとする。あんたもその内の一人よ」
「だけどさ~、ボクスターのパーキングブレーキはONでも発進すれば自動解除になるから関係無いと思ったのだけどな~」ともう一度反発。
妻曰く、「結果を見なさいよ。何時間も発進できなくて立ち往生。大ヒンシュクよ。ボクスターが悪いんじゃなくて、あんたがバカなだけだったのよ。言い訳はいいからさっさと発進しなさい。動くでしょ、ちゃんと。寒いし、トイレにも行かせて頂戴。」
「わかりました。アレっ、動くな~ちゃんと、何でだろう」と僕。
妻は完全に僕を無視。
いや~参りました。妻のおかげで何とこのピンチを抜け出ることができました。後日、この事をPC目黒のH氏に言うと、パーキングブレーキの解除は頭に無かったと言っておりました。僕と同じ意見でした。でも、パーキングブレーキの解除は「発進して初めて自動解除されるので、発進できないのであれば解除されない」が正解になるのです。取扱い説明書には確かに記述されておりません。
結論です。雪道でスタックした場合の発進は、「PSM解除、エレクトリックパーキングブレーキも解除」がコツとなるかと。。。ちなみに、自宅近くの雪道で同じ状況になりましたが、やはり、PSMを解除し、エレクトリックパーキングブレーキも解除しないと前に進めませんでした。
本当に厳しい経験、情けない経験でした。
妻がいなければ、どうなっていただろうと思います。やはり、妻は偉大でした。たった1分で勝負を決めてくれました。
妻よ、有難う!! 君は偉大だ!!
アイスバーン状になっている高速道路は低速ドリフトの連続でした。ここは日頃の練習の成果でした。焦ることなく、一つ一つクリアーし、約40kmのアイスバーン道路をクリアすることができました。スピードは出さず、ローギア、セカンドギアを駆使し、ぶつけることなく、家に辿り着くことが出来ました。
家の駐車場から手前約50mの坂道が最大の難関でした。雪がかなり積もっており、一挙にスタックしました。20mほどバックし、一挙に加速し、上り切ろうと試みましたが。10mほど登ったところで見事にスタック。そこからは妻をおろし、ローギア8000回転でガンガンに回す回す。朝6時にボクスターのエンジンの轟音が町中に響き渡りました。慣らしの最中だってのに、8000回転を振り切り9000回転まで針が回っていました。闘うこと約30分。その間、エンジンは8000~9000回転。
慣らしもくそもありませんでした。こんなところでスタックしたら近所の恥さらしだ。何が何でも車庫まで辿り着いてやると。ボクスターの死ぬほど大きい轟音が響き渡ること約30分後、車庫手前1メートルで力尽きました。
これは絶対に無理だ。雪かきしかない。
道具を何も持っていませんでした。素手で雪をむしりとりました。足で雪を蹴り飛ばしました。雪かきすること約30分。ようやく車庫に辿り着きました。
時計を見ると朝の7時でした。50km離れた厚木からの約16時間の闘いが終わりました。9時からは始業ですから、会社に行かないと。。。。風呂に入り、9時には事務所でスタンバイしました。
今日は仕事にならんな。。。疲労困憊でした。。。情けない。。。
しかし、ボクスターに悪い所はありませんでした。
有難う、ボクスター。疑って悪かった。悪いのは俺だよ。妻がそれを教えてくれたよ。
また付き合ってくれ、ボクスターよ。。。
そんな気持ちでした。
なさけないな
返信削除オレはかっこいいと思う
返信削除いやいや、なさけないですし、超カッコ悪いです。もう2年以上前の大雪の日の出来事でした。かなり前のブログを読んで頂き、有難うございました!!
削除結論ですが、雪の日はボクスターでは走らないと結論づけました。僕にはこれが一番です。
雪道はスバル。それ以外はポルシェ。これおばあちゃんの遺言。
返信削除なるほど。それ面白いです。スバルの4駆は素晴らしいです。北海道の知人は大半がスバルの4駆に乗っています。僕はSTIが欲しいです。。。 サーキットで軽くおいていかれます。。。
削除雪道はスバル。それ以外はポルシェ。これおばあちゃんの遺言。
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