2012年11月20日火曜日

9. 2012年11月10日(土)、ついにボクスター納車

MINI Cooper SのMTでトレーニングを積むこと約3ヶ月。

そして、ついに、ついに2012年11月10日(土)の新型ボクスター981型(右ハンドル、MT)の納車の日がやってきました。記念すべきこの日に一緒に行くことになっていた妻が寝坊です。予想していました。

妻曰く、「一人で行ってきてよ」と。。。。

何と寂しい反応。。。 そして、一人でとことこ丸の内線に乗り、途中、銀座で日比谷線に乗り換えました。顔は笑っていたことでしょう。。。ニヤニヤと。。。。

中目黒駅を降りて、目黒PCまで歩いていく瞬間の何とも言えない気持ち。

確かに子供の頃から911に憧れていました。男48才にしてようやくポルシェに乗れる。大学卒業して25年もかかってしまいました。しかし、現実は911ではなく、ボクスターでした。しかし、そんなことはもはやどうでもよいことでした。911のことは頭には全くありませんでした。あるのはただただ「ボクスター賛美」の心でした。どうやったらMTのボクスターを完璧に乗りこなせるのか。どうやったらカッコよく、速くコーナーを駆け巡ることができるのか。リアを滑らせ、高速でコーナーを曲がっていき、見事なカウンターで車を立て直していく自分が頭の中に浮かびました。完璧なクラッチワーク、完璧なアクセル操作、完璧なギアシフト、両手両足を自由自在に使って全身で感じるスポーツ走行。ポルシェエンジンの轟音。MTのボクスターをなぎ倒していく自分、ねじ伏せていく自分を想像しました。「ボクスターMTが勝つのか? 俺が勝つのか?」。「かかってこい、ねじ伏せてやる」という気持ちでした。この日のために、MT運転にピッタリのスパルコのドライビングシューズを用意していました。江東区のレーシング用品専門店で買ったものです。そろそろ硬さもとれてきて足になじんできつつもありました。

目黒PCが見えてきました。

「アレ!!! あの真っ黒けっけの超カッコいい車、ひょっとして俺の? 超カッコいい! マジで??」と一台の真っ黒のピカピカのボクスターに目を奪われました。自車自賛の嵐でした。ナンバーを確認しました。間違いなく僕のものでした。妻の誕生日と僕の誕生日を掛け算したナンバーにしていましたが、間違いなく僕の車のナンバーであることを確認できました。運転席を見ました。

「きた~! MTじゃね~かよ。MT。ポルシェのMTだよ」と心の中で叫びました。この日のために3ヶ月間特訓してきたのです。


H氏が出迎えてくれました。ドライビングテクニックで尊敬するH氏です。この方に出会わなければポルシェ購入は無かったでしょう。感謝、感謝です。

説明を30分ほど受けました。さあ、PC界隈を試乗です。

運転席に乗り込みました。エンジンをかけました。クラッチを踏みました。

「アレ~、やばい!!! 超ヤバい、Hさん嘘つき~」と思いました。

「新しいポルシェのクラッチは軽いって言ったじゃ~ん」と思いました。急に背中に汗、汗。。

トレーニングを積んできたMINI Cooper Sのクラッチよりも相当に重いクラッチでした。

「うわ~、重いな、これ。手強い??」って思いました。一瞬、汗、汗でした。弱気、、、、、??

しかし、この車をねじ伏せることを目標にトレーニングを積んできたのです。負けるわけにはいきません。何が何でも乗りこなさないといけないのです。ポルシェのMTを乗りこなし、妻を唸らせてやろうと意気込んでいた自分がいました。

しかし、しかし、どうでしょう。。。

ローから、セコ、サードと入れていくうちに不安が快感に変わっていきました。

「何と、何と、気持ちよい」、「超スパスパ決まる、何これ~!!! 気持ちいい~~」

涙が出そうなくらい気持ちよいシフトチェンジの感触。クラッチを切り、シフト操作をすると、「カチカチ」っとメカニカルな音が聞こえてきます。スパスパとシフトが決まります。クラッチワーク、シフトワーク共にMINI Cooper Sよりも全然スムーズに決まるではありませんか。全くストレスがありません。MINI Cooper Sの場合、クラッチミートポイントが高く、シフトのストロークも長いです。ここにストレスがありました。ボクスターでは、この2点が見事なまでに違っていました。クラッチミートポイントが低く、すぐに繋がる上、シフトストロークが短く、スパスパ決まります。

一言でした。「MTで良かった。最高」

MTでのポルシェ購入を推奨してくれたH氏にひたすら感謝、感謝し、PCを後にしました。さあ、自宅まで気合を入れて行こう!

帰宅途中、慣らしの4000回転までを使ってエンジンを回し、シフトチェンジをスパスパと決めていきました。この段階で全く不安はありませんでした。ボクスターのMT運転を心の底から楽しいと思った瞬間でした。重かったクラッチは慣れてしまい、気持ちよい重さに変わっていきました。心配していたエンストなどあり得ませんでした。坂道発進も全く心配無いと思いました。すぐにスパッとつながるので後ずさりの距離が短く、後続の車に不安を与えるほどじゃないなと思いました。

ポルシェのMT運転の不安から、快感に変わって行ったのです。納車初日15分後のことでした。

この時から「ポルシェ病」が始まりました。

2 件のコメント:

  1. 00年式986のオーナーです。
    購入時に中古の右ハンドルMTを探し、ようやく見つけ試乗し唖然としました!
    フットレスに足を載せようとするとクラッチペダルに当たるのです。
    それで左ハンドルMT購入を決めました。
    987になってもそのペダル配置は改善されませんでしたが、写真を見ると981は改善されていますね。これなら乗れます。

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    1. コメント有難うございました。わかります。実によくわかります。後のブログで記述しているのですが、僕は昔の左ハンドルの空冷911のMTに乗った時、「ありえないペダル配置だ」と思いました。しかし、今は左だろうが、右だろうが、どんなペダル配置でも普通に運転できます。違和感は自分が運転してきたものと違うということだと思っています。世界中で販売されているものなので、「不自然なもの」が大量に販売されているわけはないと思います。少なくとも英国では右ハンドル車のポルシェが圧倒的に売られているのが結論です。それでも、やはり慣れは重要だと思います。981でも違和感があるかもしれませんね! 僕はこの慣れの問題は重要だと思いますので、自分はこれからも右一本で行こうかと思います。自分以外に妻も乗るので、左は自分の家庭では絶対にダメです(笑)。。。

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