2015年4月1日です。若い新人さんがうじゃうじゃ歩いていますね~。桜満開です。やはりこの時期はまっさらのスーツを着た若い男女を見ると元気になります。彼等は日本の未来を担うのですから是非とも頑張って頂きたいと思っています。
果たして彼らの内、どのくらいが初任給でマイカーを買うでしょうか。僕は大学卒業して、最初の夏に本田のシビックSiRという当時としてはハイパフォーマンスカーのMTを新車でローンで購入しましたよ。同期は、日産のセフィーロ、本田のプレリュードを購入しました。女の子とデートをするのであれば、セフィーロやプレリュードに負けでした。何で同じ同期であいつらの方がいいクルマに乗っているんだよってマジで悔しがりましたよ。当時を思うと本当に懐かしいですよね。クルマを買って、初めてのデートは山中湖でしたよ。富士山にも登りました。夢のような気持ちだったです。
僕にとってクルマを買って好きな女の子とドライブというのは人生で最も重要なことの内の1つでした。いつか一番欲しいクルマを買って、好きな女の子を助手席に乗せ、泊りがけでドライブしたいと思っていました。当時一番欲しかったクルマがランクルでした。
「俺はいつかランクルを手にいれ、好きな女とドライブする」と真面目に思っていたのですね。随分とちっぽけな夢かもしれません。実際、その夢を実現するのに約20年かかってしまいました。43歳の時に憧れのランクルを購入したのですね。納車の時は大の男が手が震えていましたよ。それから8年経過しました。今でもランクルは我が家で大活躍しています。故障は8年間で一度もありません。細かい不具合も1度もありません。故障が出そうな気配すらありません。大雨だろうが、雪だろうが、快適です。日本が世界に誇るランクルだと真面目に思います。海外で買うと800万円以上するのですが、日本で買うと半額近いですよ。これだけお買い得感の高いクルマも珍しいです。僕が酷評するBMW320Dツーリングよりも全然安いのですからね。アメリカでは、BMW320Dツーリングが300万円ちょっと、ランクルが800万円ですよ。ランクルが2倍半します。僕の評価では、このアメリカ市場での価格がそのままの価値だと思っています。自分がオーナーで感じていることは、アメリカでの販売価格がまさにそのまま本来価値を反映していると思っています。やはり、アメリカは凄い国ですね。ブランドやそんなものどうでもよくて、そのモノが持っている本来価値を素直に反映して市場価格が決まるのですから。日本や欧州ではブランド戦略的な価格付けがまだまだ強いですよ。
自分の会社経営においても、自社サービスや製品の価格は、本来価値に相応しい値付けをしているつもりです。絶対にぼったくりというのはしないようにしています。僕の会社では、価格は相手がどんな顧客でも皆同じなんですよ。一律価格となっています。相手の懐を見て、価格が決まるということは一切無しの明朗会計です。ですから、価格交渉という神経質な闘いは一切ありません。
ちなみに僕は交渉事が嫌いです。駆け引きが苦手です。要領は悪い方です。つまり不器用です。ビジネスマンとしてはカッコ悪い方です。どちらかと言えば、剛速球タイプです。カーブやカットボールや牽制球は投げません。ストレートボールのみで勝負しています。駆け引きが無いので、ある意味、凄く楽ですよ。気持ちいいです。ある意味、効率も良いと思っています。結論がすぐに出るからですね。1つの結論を出すのに、数日しか時間をかけません。公的案件となりますと、入札のための大量な書類を作成する等の時間が必要ですよね。。 でも、僕の会社では、公的案件には一切参加しないようにしています。書類の作成だけで数日の工数が必要となり、落札できないこともあるからですし、公的案件の場合、大半が出来レースですから、書類を作るだけ損だと思うからです。僕は民間のプロジェクト以外は一切係らないようにしています。書類作成の手間をかけたくないという気持ちです。
僕は書類が大変に苦手でして、若い頃からその傾向は全く変わることがありません。大学で出て最初に就職したところが銀行でしたが、もう大変でした。漏れが何と多いことか。。。 当時の上司に申し訳無いと今でも思っています。銀行業は素晴らしい仕事だと思います。社会貢献度も高いとは思いますが、僕にはキツかったです。書類のための書類が何と多いことか! 手続きのための手続きですよ。弊社に出入りする銀行の担当者が僕は可愛くてたまりません。何故ならば、その担当者が大学出たばかりの当時の僕にそっくりだからです。「あれが無い、これが無い」の連発ですよ。「すみません、.....が足りませんでした。誠に申し訳ございませんが、.....を......までに用意して頂けないでしょうか。本当に申し訳ないです。」を何回聞いたことか。。。(笑)。
まさに、20台前半の僕がそうでした。書類が複雑ですので漏れが多いですし、処理が遅くなりますよ。勿論、やれば出来ないことは無いですが、モティベーションが高まらないのですね。従って、間違いも多く、上級者は「こんな部下とはやってられない」とダメ出しを喰らいましたよ。事務課長は間違いが多い僕に愛想が尽きて、口もきいてくれなくなりました。同期に比べて、評価は最悪でした。当時は厳しい状況でしたよ、本当に。
その後、セクハラ行為で何となくいられなくなり。。。。(笑)。 前にも言いましたよね、これ。。。
結果的に26歳で銀行をやめざるを得なくなりました。。。。(笑)。。。。
そして、辞めたのですね。。。。
その流れで離婚にまで至ってしまい。。。。。。(爆)。。。。
当時、絶望のどん底になりました。折角、買ったホンダのシビックSiRも売ることとなりました。会社を辞め、離婚をし、愛車を手放し。。。。。。(涙)。。。。 残ったものは僕の体と心だけ。。。 お金は1銭も無しという状況でした。その後、今で言うシェアハウスのような生活を30歳過ぎまで行い、33歳でまだ無一文状態で、今の妻と再婚したという。。。。
26歳当時のことを考えると、今、こうやって元気にやっていること自体が不思議ですよね! 人間必死になれば何とかなるんだなって。捨てる神あれば、拾う神もいると。拾う神が今の妻だったと思います。再婚後、全ての考え方を変えさせられましたよ。一切の甘えは禁物となりました。
妻からは「人の2倍の努力では足りない。10倍ぐらい努力をしろ」と最初に叩き込まれました。「死ぬ気でやれ」と指導されましたよ。そして、「長期で役に立つ仕事、地に足の着いた仕事だけを取り組め」とも言われました。「金のことは一切考えるな」と言われました。
無一文状態で貯金無しの当時の僕にとって、金のことをまず考えて、仕事に取り組むことが多かったです。いかに効率良く金を稼ぐか、利益の高いプロジェクトなのかが重要なテーマであった時、「金のことは一切考えるな」という妻の指摘は随分と太っ腹なだなと思いました。
「金を稼ぐのではなく、社会に必要とされる仕事が出来るようになれ。それだけを考えて邁進しろ」と厳しく言われました。
上記のことは、1週間に数回は言われましたよ。同じことを今でもまだ繰り返し言われていますよ。僕は自分の親からの指導よりも、妻の指導の方が遥かに利いたと思っています。正直、僕の親は妻をあまり好いていませんよ(笑)。
「お前、よくあんな厳しいこと言われ続けて我慢しているね~。可哀そうに。」ってよく親に言われますよ。
ちなみ僕の親は超優しいですよ。その結果、オヤジはマージャンばかりやって仕事はあまりせずでした。僕の目から見ても、死ぬ気で仕事をしているとは全く思えなかったですね。大企業でノホホンとつり革にぶら下がって生活していたようにしか見えないです。リストラになった時も、「どうして俺がリストラに合うんだ。給料がこんなに下がってしまうじゃないか」って文句ばかり言っていましたよ。
僕の妻はよく言うんですよ。「悪いけどあんたの親は最低だよ。会社に文句言うのは最低。男は文句は絶対にダメ。文句があるならば、何故、会社に改善を働きかけないの? 会社に何かをしてもらおうという姿勢が最低なのよ。会社に対して何をしてあげられるのかっていう姿勢が無いのよ。社会から何かをしてもらおうという甘えがダメ。社会に何かをしてあげることが大事。またそういう人間になろうと努力をすることが一番大事なのよ。あんたの親にはその姿勢が感じられない。あんたもあんな親と付き合っていたら、同じ人間になるわよ。自分の親だから大切なことはわかるけど、それとこれとは話は別。しっかりと切り分けていきなさい。親を参考にしていたら、あんた、とんでもないことになるわよ。」と。。。(爆)。。。
人の親に向かって何言ってんだよって、最初は思いましたよ。。。
妻は続けました。「社会に役立つ真のリーダーになるためには、吊り革にぶらさがって給料もらってきてそれが当然と思っているあんたの親と同じことをしていたらダメなのよ。社会を引っ張っていく人はそんな甘えは無いのよ。あんたもリーダー的な存在になりたいのであれば、あんたの親と同じことはしないこと。ましてや親を尊敬なんてとんでも無い。軽蔑するぐらいの気持ちを持ちなさいよ。リーダー的な仕事をするって甘いもんじゃないよ。普通の人間にはできないよ」
ちょっと言い過ぎじゃないかって思いましたよ、最初は。。。。 人の親を小馬鹿にするにも程があるって思いましたよ。
しかし、よ~く考えてみると、俺は一体、自分がどうなりたいのかって考えました。そして、もし、会社を経営する、社会に貢献できる会社に育てる、リーダー的な仕事に取り組むってのが、本当に僕の夢であるならば、一体、どうあるべきかって。。。
甘いもんじゃないですよね、それって。
その覚悟を決めたのが、33歳の時だったのですね。それからは人間変えましたよ。前のブログに記述しましたが、3ヶ月間で自宅に帰ったのがたったの1回という会社泊まり込みの本気の生活が始まりましたよ。家に帰るという発想がもうありませんでした。そのくらい打ち込みました。当時の頑張りがあったからこそ、今があると言ってもいいと思います。と言っても、今もまだ自転車操業ですが。。。
33歳で妻の指導もあり、本気モードになり、18年が経過しました。本気とは何なのかです。失うものもありますよね。親とのコミュニケーションもなかなか取れなくなりました。時間が無いですからね。兄弟や友人とのコミュニケーションも取れなくなりました。これも時間不足です。卒業生OB会も参加できずです。
しかし、得るものもありました。本気で生きるということがどういう意味かがわかりました。会社を経営する、そして維持する、仕入先とのお付き合い、販売先とのお付き合い、会計士とのお付き合い、詐欺師とのお付き合い、飲み屋とのお付き合い、税務署とのお付き合い、司法書士とのお付き合い、開発パートナーとのお付き合い、その他いろいろな人とのお付き合いがあります。ありとあらゆることに触れないといけません。サラリーマン時代に体験しなかった詐欺師とのお付き合いもあります。サラリーマン時代には詐欺師など会ったこともなかったですが、会社経営をすると、詐欺師に出会うことも出てきます。いろいろな詐欺師に出会いました。東大出の国土交通省のお役人出身の詐欺師、トヨタ自動車の役員の秘書の詐欺師等。。。 元のキャリアがしっかりとしているから思わず信用してしまうのですね。。。 しかし、実際には悪質ブローカーであったりします。頭が良いから実に狡猾なんですね。恥ずかしい話、僕は騙されました。僕と同じ被害にあった人が多数いますよ。警察に届け出ましたよ。刑事さんのご支援もあり、50万円だけ戻って来ました(笑)。実際の被害金額はもっと多いです(涙)。知能犯罪とは何なのか、高い代償を払って勉強しました。
こんな経験、本気出して仕事しているから出てくるんですよね。ある東北の.....県代議士の紹介で自民党.......代議士秘書を紹介してもらい、代議士秘書、お役人数人と実際に会いました。極秘詳細図面を見させてもらった時は、本当に受注したと思いましたよ。彼等を飲み食いさせ、いろいろと色をつけて。。。。。 しかし、ふたを開けてみると、同じことをしている人がたくさんいました。一緒に警察に行こうということになり。。。。。 警察の知能犯課の刑事さんに随分とお世話になりました。結果的に、多くの被害仲間と知り合いになりました。皆、社長さんばかりでした。僕よりも被害金額が大きく、また、僕よりも遥かに社会的に地位が確立している企業の社長さんばかりでした。
僕は思いました。どうして、こんなに社会的地位、社会貢献度が高い企業の社長さんが、こんな詐欺まがいの被害に会わなくてはならないのかと。。。 これらの企業の社長は僕の憧れの企業ばかりです。社長は勿論、真剣モードで、外見は詐欺にあったなんてない雰囲気です。堂々としています。
しかし、現実は僕と同じ詐欺師にひっかかっているんですね。。 彼らとは同じ詐欺被害で仲良くなりました。皆、60歳を超した百戦錬磨のビジネスマン、社長です。しかし、僕ごときと同じ詐欺にひっかかっているのです。自分が詐欺にあったなんてことは口に出せないと皆、言っていました。僕も同じでした。
皆に共通して言えるのは、「会社経営を少しでも良くしたい。資金繰りを楽にしたい。そのためにキチンとした案件を紹介してくれたと信じた。でも、詐欺だった」と。。。
相手が信頼が出来るお役人さん、お役人さん出身ということで、僕は100%信用しました。彼らも同じ気持ちだったと思います。彼らも100%信用したと言っていました。百戦練磨の彼らが詐欺に合うのですから、僕ごときが騙されるのも仕方が無いと思いました。
お金はもう戻ってきません。間違いなく詐欺にあったのです。しかし、僕はこの詐欺師に会って、本当に良かったと思っています。この詐欺師に出会っていなかったら、今の僕も無いかもしれません。ここが面白い所だと思います。詐欺師が紹介してくれたイカサマ案件は過去の自分では太刀打ちできないレベルの案件でした。その案件を受注するために、詐欺師に紹介手数料を払ったのです。そして、案件を受注して、実際の業務に落とすために、僕は猛勉強しました。案件を受注したら実際の業務フローに落とす必要があります。それを実現するためには、今の僕の会社ではまだ力不足と思ったために、いろいろなパートナー企業とタイアップして研究開発に励みました。本気での開発にとりかかりました。しかし、当案件はイカサマの詐欺案件であったのですね。
たしかに、詐欺にあっただけでした。しかし、この詐欺案件での猛勉強で得たノウハウは、本来の僕の会社としての仕事の幅を広げたのですね。この詐欺案件ではなく、別のホンモノの案件で大いに役に立ったのです。詐欺案件が無ければ、受注できなかった他のホンモノの案件の受注が可能となったのです。
そういう意味で、詐欺師との出会いが僕の会社を変えたのですね。本当に真剣に研究開発に挑み、本気モードでした。僕の会社が死ぬか生きるかだと思ったのです。もし、受注後、案件に失敗すれば倒産のリスクがあると思ったからです。だからこそ、死ぬ気で勝負をかけて、研究開発に挑みました。結果は詐欺プロジェクトでしたが、別のプロジェクトで見事に活用出来ました。
詐欺師との出会いは、高い代償となりましたが、その出会いが我が社を変えました。
その後も、別の詐欺師との出会いがありますよ。さすがにもう騙されませんよ(爆)。。
妻が言いましたよ。「あんたが何故、詐欺師に騙されたかわかる? あんた、まだ懲りてないのよ。言ったでしょ、金から入るなって。お金を楽して手に入れようって気持ちが心のどこかにあるのよ。そこに詐欺師がつけ込む隙があるの。何度も言っているように、社会に貢献できる仕事が出来るように時間がかかっても頑張るしかないのよ。短時間で出来るわけないでしょ。それをお金の力を借りて簡単に受注しようと色気を出すから騙されるのよ。初心に戻りなさいよ。懲りなさいよ、いい加減に」
ごもっともです。
妻は続けました。「オレは社会に貢献する仕事しかしないと宣言しなさいよ。プロジェクトの最初にお金の話をするのはやめなさいよ。まずは、貢献度が高いかどうかに着目して、それを徹底的にもっと高めるためにはどうしたらよいかだけを考えなさいよ。きっと、同じ志を持った優れた人が集まって来るから。その時、価値がある仕事が始まるのよ。お金は自然とついてくるから」と。
妻の意見に従いました。どこまでもこいつは太っ腹なんだ。女々しいオレとは違うと思いました。
妻はさらに続けました。「あんたに見せたいものがある。これを見なさい」
高校野球の常総学院の木内監督のビデオでした。横浜高校の渡辺監督のビデオでした。池田高校の蔦監督のビデオでした。簑島高校の尾藤監督のビデオでした。
妻は言いました。「名将と言われている高校野球の監督の仕事ぶりを見なさいよ。彼らの元で育った高校球児を見てみなさいよ。皆、キチンとしている若者が多いわよ。ほら、あのK君も彼らの元で育った若者じゃない。彼なんか本当にキチンとしているし、いい仕事しているわよ。K君もああいう名将の元で教育を受けているからいい若者に育っているんじゃないの。K君も監督のこと好きだ、尊敬しているって言っていたでしょ。野球を通じた人間形成という教育の仕事が彼らの価値なのよ。ホンモノの仕事をしてきたから名将と言われているのよ。あんたも若者が憧れるような価値ある仕事が出来るような男になりなさいよ」
参りました。木内監督のビデオを見せられるとは。。。。。 木内マジック、これは教育のマジックなんでしょうね。
4月1日なんで初心に戻ってみました。
そろそろボクスター981に乗りたいです。あと1カ月は自粛し、仕事に励みます。
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