2016年7月4日月曜日

274. ポルシェ目黒PCのH師匠、爆発

昨日、珍しく妻がポルシェ目黒PCのH師匠に会いに行こうと言ってきました。H師匠の元気な姿を見て、元気をもらおうと言ってきたのです。ボクスター718の展示がありますとレターが来たので、妻と2人で行ってきました。。 僕1人で行く時はボクスター981で行くのですが、妻はリクライニングが出来ない2シーターに乗るのはご法度なので、BMW528で行くはめに。。。 しかし、このBMW528というクルマは欠点が無いな~っと改めて思いました。あれほどBMW3シリーズをコケにしていた僕も妻もこの528は「まずは合格」と思っています。老人を乗せたり、取引先を乗せたり、デートカーとしてはかなりドンピシャだと思います。


しかし、こんなBMW528ですが、妻から「売却せよ」の指示が出たのですね。指示の意味は、「もっと働け」という意味ですよ。今、新規開発している案件に対して、妻はかなりいちゃもんを出してきます。


「あんた、これかなり気合入って開発しているけど、他社の従来商品と何が違う? 横で見ていると世の中の役には立ちそうだ。それはわかる。しかし、同様なことをしているあの会社の商品と何が違う。説明してみなさいよ。あんたそれがしっかりと説明できないと、はじきとばされるわよ。」


「............」


僕は一瞬、言葉に詰まってしまうのですよね。今回の案件の新規開発は、実はかなり感情的な開発なんです。他社が出来ないこと、他社が追随することが極めて困難なこと、まだ世の中にはあまり広まっていないもので世の中の役に立つことが僕の事業開発の根幹でしたが、今回の開発は他社が既にやっていることなんです。類似していることなんですが、たまたま僕がやりたいことが他社が既にやっていることなんです。


僕は自分の気持ちに素直になっただけなんです。自分がどうしてもやりたいことがあって、それとほぼ同じことを他社がかなり前からやっていた。。。。 さあ、どうする?? っていう状態なんです。僕が出した結論は、「僕はどうしてもやりたいからやります。」という結論でした。13年前に一度、やろうとして技術的未熟から断念したことを、再度、やりたいと。。。 でも、他社がもう既にやっているのですね。


そんな僕を妻が横から見ていて、口を出すのですね。デモ品を見て、「う~ん、これは世の中の役に立つとは思う。確かにこれをあんたが進めたいという気持ちはよ~くわかる。しかしな~、これってあそこの会社がこんなにやっているのよね~~~」と。。 妻の反応は、苦し紛れです。。。


白黒きっぱりの妻がこれだけ悩むことも珍しいと。


妻からの反応は僕自身が悩んでいたことでもありました。もう一度、他社の先行事例を研究してみました。そして、気が付きました。


「違うよ。絶対に違う。他社のあれでは世の中に本当の意味で広まらない」


「オレがやりたいことはあれとは違う。見えた!!!」


たったこれだけで元気になってしまうのが僕なんです。。。 イメージだけで元気になるという。でも、心のどこかで大きな差別化ポイントを自信を持って語れないというもどかしさ。。。こんな状態が数週間続いていた時、妻が目黒PCのH師匠の元気な顔を見に行こうと誘ってくれたんですね!


そして、目黒PCに行きました。そして、H師匠が元気な顔で出て来ました。


「718ボクスターのエンジン音聞いてください」と!!!


あれ~、そう来たか??? と思いました。当ブログで僕は718ボクスターの4気筒ターボのエンジンサウンドが最悪であることを何度も記述しました。全く期待していなかった僕に「718ボクスターのエンジンサウンドを聞いてください」と元気一杯で言うH師匠の対応にたじろいだのです。


そして、H師匠は僕を718ボクスターの真横に連れて行き、アクセルを吹かしました。


「どうですか?」とH師匠が聞いてきました。


僕は言いました。「自然吸気6気筒サウンドとやはり4気筒ターボサウンドは違いますよね?? 世の中で新しい4気筒ターボサウンドは最悪だって酷評する人多いですけど。。。」と僕は恐る恐る言いました。


H師匠が言いました。「好みの問題もあるでしょう。しかし、6気筒サウンドもありますが、4気筒ターボサウンドもまたポルシェと言えるでしょう。あれもあるけど、これもある。こんな感じではないでしょうか」と豪快に返してきました(爆、爆、爆)。


そして、H師匠は続けました。「走りの質、剛性は981ボクスターよりも相当に向上しています。これは間違いないでしょう。エンジン音もどうですか。今聞いて頂いたものは、ノーマルサウンドですよ。スポーツエギゾースト無しの状態です。」


とまあこんな感じです。H師匠の対応を見て、妻がゲラゲラ笑いだしていました。


「あれもあるけど、これもあるとはよく言ったものだわね~。やはりHさんは面白い」と妻。。。


僕も全く同感でした。そう言われてしまって返す言葉が無く、H師匠の迫力に圧倒されていました。そういう状態で718ボクスターのエンジン音を聞くと、あれ不思議、何となく「ニャ~るほど、これが新しいポルシェなのね」と思えてしまったのですね。


YouTubeで聴く718ボクスターのエンジンサウンドは酷いと思いましたが、H師匠が奏でる718ボクスターは「これもまたポルシェかも」と思わせるものがありました(爆)。。。


H師匠のスポーツドライビングスキル、レース経験を信頼して、そのH師匠が言うことで凄み、信頼が出ているのかもしれません。。勿論、ポルシェというスポーツカーしか作ったことがない真のスポーツカーメーカーの信頼性、歴史が裏付けされているのかもしれません。。。 まともなクルマ作りを真剣に行ってきたポルシェの力。運転技術を磨き、スポーツカーを心の底から愛しているH師匠のクルマに対する愛情。それが掛け算になって僕に迫ってきたような気がしました。


僕は結論を出しました。「718ボクスターのエンジン音もまたありだ」と。。。(爆)。。。。


目黒PCを出て、帰途につきました。


そして、思ったのです。


「今、オレが新規開発している案件は確かに他社の先行案件と類似しているが、オレのもまたありなんじゃないか」と。先行案件を追いかけているという立場は確かにインパクトは無いですが、どちらがよりホンモノかこうなったら勝負を挑むしかないなと思ったのです。オレらが開発している案件の方がホンモノ度が高ければ、「俺らのものもあり」と市場に思ってもらえる可能性はゼロではないと思いました。100:0の0ではなく、2~3ぐらいあれば我が社には十分だと思いました。ただし、ホンモノを追求していこうと思ったのです。気持ちよくホンモノ志向を貫き、後追いでも役に立つことをしてみようと。それがオレがしたいことであったら、後追いの惨め感があっても仕方が無いと。。。


そんな僕の気持ちを察してか、妻が「これ見なさい」と録画してあった番組を見させられました。


「ごはんですよ」の桃屋の商品開発に関する番組でした。僕は大いに共感しました。商品開発に対する姿勢、哲学はまさに僕が貫こうと思っていたものでした。「規模を狙わない。ホンモノのクオリティを維持することだけを考える。ホンモノのクオリティを維持できる事業規模をキープする」が桃屋の経営哲学でした。


妻が言ってきましたよ。「あんたも桃屋の会長から学びなさい。彼は90歳だけどまだ現役じゃない。彼のホンモノ志向の態度こそあんたが見習うべきです。どこまでもホンモノを追求する真摯な姿勢に若者が着いてくるのです。社会が着いてくるのです」。


やはり、妻はオレのことわかっているな~って思いました。新規開発案件で悩む僕に、目黒PCにH師匠に合わせてモティベーションを与えてきました。そして、最後に桃屋のビデオで締めてきました。新規開発案件の方向性が定まりました。


よ~しやるぞ~って気合が相当に入りました。


そんな時、また妻が締めてきたのです。


「BMW528をそろそろさばきなさい。あんた911欲しいんでしょう。ブルーの911だったら買ってもいいから。528はさばきなさい。ボクスターは売るんじゃないわよ。あれはMTだから絶対に売ったらだめ。あとは仕事次第だわね。新規開発気合入れてください。値付けはあんたの当初の値付けでは全くだめ。当初の6分の1に設定してください。ビール数杯ぐらいの値付けにして、世の中に広めるのが先決。頼むわね」


「ハイ、わかりました!!」と僕は元気よく返答しました!!!


「あのさ~、新規案件うまくいったら、あれ買うよ。まだ婚約指輪買ってなかったよね。いつも頑張ってくれているからいい加減買うよ。」って妻に言いました(爆)。。。 結婚して20年経ちますが、まだ何も買っていないということが気にはなっていました。。。 それどころか僕は妻に多額の借金があります。まだ妻に何も返済していません。本音を言うと、踏み倒そうと思っています(汗)。。


妻が返して来ました。「そんなものいらないから。911買いなさいよ。あんた欲しいんでしょ。」


いや~、この時、妻の愛情を感じましたよ、まじで! やっぱ妻は最高だぜ~って嬉しい気持ちでした。


妻がまたつっこんできました。「あんた、カッコつけるのはいいんだけどさ~。先立つものまず何とかしなさいよ。たらればなんてどうでもいいんです。今月の利益、ちょっと少な過ぎるんじゃないの?」


昨日は妻が妙に優しかったですね~。。。


「まあ酒でも飲め」と締めてきましたよ。。。


調子に乗って、店員さんに「もう一杯!!」って言ったら、


「いい加減にしろ」と一蹴されました。これでいつもの妻に戻りましたよ。。。


仕事頑張りますね。


最近、ボクスター981のMTを運転していていつも思うのですが、


「4年近く乗っているにもかかわらず、全く飽きない」ということです。それどころか、もっと好きになってきているんですね。ボクスター981のMTの面白さ、素晴らしさを体全体で感じています。また体全体で感じる感性、運動神経を維持をして行きたいと真剣に思うようになりました。ということで、体を鍛えています。筋肉と神経の両方を鍛え直すということでしょうか。。。 このクルマは絶対に手放すことはできんなと思っています。それとは対照的にBMW528はいいクルマですが、もう手放したい気持ちなんですね。これ不思議です。確かにいいクルマです。しかし、「もういいや」っていう感じが強いです。新車購入してまだ半年程度ですが、もうこんな気持ちを抱いているのです。ボクスター981のMTは、全くそういう気持ちになれないです。911には無い魅力があります。911とは別モノなんです、自分には。


ボクスター981の方がBMW528よりも、時速100kmの時、怖いですね。怖いというのは安定していないというのではなく、時速100kmの速度感をキチンと伝えてくるから怖いということでしょうか。。。 BMW528であれば、フィルターがかかっているのかな~、怖さが伝わってこないというか。。 日産GT-Rなんて時速150kmでも全く怖くないですよね。主婦でも300kmで運転して、話が出来るっていうぐらいの凄さがあるとのことですから。それもフィルターがかかって、しっかりと怖さを遮断しているからなんでしょうね。ポルシェの面白さって、時速50km、100km、150km、200kmでそれぞれの速度感がかなり正確に伝わってくると思います。時速50kmでもしっかりと時速50kmならではの速度感が伝わってくる感覚があります。だから、運転が面白いんでしょうね。同乗者からよく言われますけど、時速70kmぐらいで首都高速をまっすぐに走っているだけでも怖いって言われますよ。安定はしていますよ。だけど怖いと。前の軽と同じ速度で走っているんだけどって言うと、皆、ビックリしますよ。僕はその気持ちがすごくよく分かります。カートとまではいかないとしても、かなり、路面情報が入ってきますし、速度感がしっかりと伝わってくると。ロータスやフェラーリ等のスポーツカーも同様な感覚あります。運転して面白いクルマって、路面情報の伝わり方がやまり鋭敏だと思います。
オープンカーになるとそのダイレクト感がかなり増します。


ちなみに、ボクスター981をクローズドボディにして、窓を閉めて運転したことは過去4年近くで実は数回しかないほどです。ダイレクト感がかなり薄れてしまい、刺激が少ないんです。一度、フルオープンに慣れてしまうと、マジで走る時、クローズドにする気持ちが全く無くなってしまうんですね。。 オープン走行の面白さってまさにこれだなって思うんです。バイク乗りの気持ちがよ~くわかります。


同じ、首都高速のルートをキチンと走るのでも、BMW528だと疲れないですが、ボクスター981だと汗をかいていますよ。それだけ緊張しているんでしょうね。相当に神経を使っていることがはっきりと分かります。とてもいい意味での緊張、ストレスです。走った後の爽快感はたまりません。「運動したな~」って感覚に近いです。ボクスターが僕の神経を突いているのでしょうね。とりわけ、MTならではの研ぎ澄まされ感は間違いなくあります。クラッチワーク、ギアシフトワーク、アクセルの吹かし量等が絶妙に噛み合った時の達成感はPDKにはない喜びがあります。52歳の老体の神経を研ぎ澄まし、アンチエイジングを試みている時の満足感は間違いなくあります。僕はポルシェを運転している時に楽をしようとは全く思っていません。運転する時はいつも「闘い」に近い感覚なんですね。「体がキチンと反応するか。神経が迅速に反応するか」を検証する機会として捉えているんですね。可能ならば、80歳を超えても、ポルシェのMTを操れるだけの運動能力を維持したい」と思っているんですね。それをしかと意識して毎日を過ごすか、楽をして毎日を過ごすかで、この先の人生がまるで別モノになると思っています。クラッチ、アクセル、ブレーキを操る足の裏の神経、ギアやハンドルをさばく手の平の感覚、路面情報をキャッチするための腰、ケツの感覚をどこまで研ぎ澄ますことができるのか。


ボクスター981の6速MTはカチカチ感、切れ味等はかなりいい方だと今でも思います。4年前とその気持ちは全く変わっていません。991型911の7速MTには同じ気持ちを抱きませんでした。だからこそ、ポルシェは911Rでは7速MTではなく、6速MTに戻してきたのですね。次期GT3はMTも用意されると聞いていますが、そこでも7速MTではなく、6速MTだと噂があります。ポルシェの6速MTは切れ味がとてもよく、気持ちいいです。997GT3ユーザーもそれを感じているでしょう。


目黒PCのH師匠に会ったことで、やる気が出て来ました。市場の声、ニーズに謙虚に耳を傾け、後追いであったも「これもあるけど、あれもあるな」と思ってもらえるように頑張るしかないと思えたことは収穫でした。


H師匠のいつもの軽いコメント(爆)から大きなヒントを得て、気合が入っています。。


頑張りますね。。。





2 件のコメント:

  1. 718見てきたのですね!
    やはり生で聴いて見て乗ってみないとわからないですね...
    スタイルは個人的にはすごく良くなったと思っています。
    問題は4気筒ターボですね。

    単なる音だけを聞けば許せる範囲になるのかな、とも思いますが、人間とはそう簡単に打算的になれるのかな、というのが自分の意見です。
    4気筒というスペックはどうあがいても逃れようのない事実です。
    車好きにとってエンジンや駆動などの仕様はなんだかんだ拘りがあると思います。そう、いくら良くできたFFでもFR, MRとは違うのと同じで。

    今回のポルシェの判断が市場でどうとられるかですね。
    ダウンサイジングが当たり前になってきているので普通に受け止められるかもしれませんが、私は911一択になった気分です。またはCayman GT4, スパイダーのようなホットモデルが出ればとは思っていますが、まずは貴殿の奥様が言われるように私も
     「稼げ」
    ですので今日も仕事して頑張ります....

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    1. ちぷでさま: 仕事頑張っていらっしゃるようで嬉しいです。お互いにいい仕事して「稼いで」一択の911を狙いましょう。僕も同感なんですよ。やはり4気筒は4気筒だと。しかし、これが時代の流れですか。。。 

      まずは先立つものを確保しないと!! あと何年かかるか。。。

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