夜の10時でした。家族で食事を済ませました。そして、例の病気が始まりました。
「やばい、踏みて~。堪んね~」
これって、僕の重病でして、突然、どうにもならないぐらいにボクスターが運転したくなるのです。多少重めのクラッチを踏み、ギアをスパスパ、カチカチ入れ、豪快に中吹かしして、ぶっといトラクションをかけて、攻めたくなるのですね。運転をするというよりも、MT操作を猛烈にしたくなるという重病です。ギアを持つ手とクラッチを踏む左足がうずいてどうにもこうにもならなくのですね。相当な重病です。PDKは素晴らしいとは思うのですが、自分の場合は、MT操作をしないと体がどうにもこうにもならないのですね。半年前はMT操作など考えたことも無かったというのに。。。。これも今のS師匠に言われ、素直に従っただけです。ちなみにS師匠は医師でして、アンチエイジング等に自動車のMT運転は大変にいいと以前から言っていましたけど、私は最初は全く関心は無かったのです。ところが今は。。。。。これが無いと年をとっていく気持ちにもなれないほどハマッています。
ポルシェのMT操作をガンガンやるようになって、明らかに運動神経、反射神経が鋭さを増してきたと自分では思っております。まさにアンチエイジングにぴったりだなと改めて思います。このブログのタイトルそのものです。状況に応じた瞬時の判断とクラッチ操作、ギア操作、エンジンの回転合わせを行うのですから、ある意味、我ながら、「よくもまあこんなことが出来るようになったものだ」と驚いています。ボクスター購入当初は、絶対に歯が立たなかった運転技術が今では、楽しんでやっているのですからね。S師匠にも、「こんなこと絶対にできないですよ」と言っていましたが、できるようになってきたのです。S師匠を含めた、目黒PCのH師匠、ユイレーシングの教官のおかげです。我流ではなく、きっちりと基礎を学び、忠実にスポーツ走行練習に励んできた成果だと思っております。勿論、まだスタートラインに乗ったばかりですが。。。。
明確に意識したのは、「通常の運転」ではなく、「スポーツ走行」だと言うことです。通常運転ではなく、「スポーツ走行」なのですね。コーナーを曲がる時に、前後タイヤが鳴きまくり、猛烈な横Gがかかり、タイヤが滑るような「スポーツ走行」の世界の話です。つまり、限界走行です。これは普通のドライバーが経験できる話ではないです。サーキットに行っても限界走行は怖いですよね。レーシングスクールのような所でしか僕のような低級レベルのドライバーは経験することができないでしょう。
僕の場合、スクールや練習用サーキットで、限界を超え、何度もスピンを経験しました。最初は怖かったスピンが何10回もカッコ悪くスピンしていると怖くなくなってくるから不思議です。オーバースピードで、コーナーを曲がり切れず、アンダーステアでコースアウトのスピンも何度も経験しました。限界近辺での車の挙動を体で知ることができました。48歳になるまで、スピンなど想像したことも無かったです。死ぬまで経験するわけ無いと思っていましたし、縁の無い世界だとも思っていました。F1では見たことがありましたが、自分が何10回もするとは思っていませんでした。初めてスピンした時は正直嬉しかったです(苦笑)。「俺でもスピンするんだ。カッコいい」って驚きですよ。
同じドライバーでも、スポーツ走行、限界走行やスピンを何度も経験したドライバーと通常運転しか経験したことが無いドライバーでは、まるで車の動かし方が異なると思います。
僕はボクスター981という車の性能を100%活かすことができるような走りができるようになりたいと思っています。その際、MTですが、実はこれが将来効いてくるなって思うようなことが出てきました。実は昔のスーパーカーや昔のポルシェ930ターボといった車に乗る機会が今後、増えそうな状況になってきました。ポルシェでつながる輪ですね。それらの車が皆、実はMTなんですね~。MTを乗りこなすことで、昔のスーパーカーも乗りこなせるわけです。個人的には、ポルシェ930ターボが一番好きなデザインでして、MINI Cooper Sを売却し、これを購入し、改造してもいいかなと思っています。
この練習を今後も続けていくつもりですが、この限界走行、スポーツ走行は「超ウルトラスーパー健康体」でないと絶対に無理です。べらぼうな反射神経、判断能力、横Gに耐える強靭な肉体が要求されるので、「超ウルトラスーパー健康体」でないと無理だと明確に言えます。プロドライバーの助手席に座り、サーキット走行を体験した時、僕は完全にバテました。吐き気にも襲われました。体中から体力が失われていくのを感じました。走行後、立つことができず、ベンチで横に数時間休ませてもらったほどです。その日は一日、何もすることできないぐらい、全身の疲労感に襲われました。勿論、翌日は猛烈な筋肉痛です。プロのレーシングドライバーが体を鍛えている意味がよ~くわかりました。
前置きが長くなってしまいました。
昨晩、妻に「ジョギング行ってくるよ」と嘘つき、こっそりボクスターの鍵と車庫の鍵をポッケに隠し、自宅を出ました。あっ、ついでに免許証もです。
念のため200m程軽いジョギングをして、妻のチェックが完全に出来ない状況になった時、「さあ、切り替えだ。ポルシェだ」と。。。ガレージに向かい、シャッターを開け、エンジンを掛けました。オープンにしても寒くも何ともありません。最高に気持ちのよい夜です。
「ブオ~ン」と深夜の神田明神にエンジン音が響き渡ります。この瞬間だけは、嬉しい気持ちが半分、「深夜にしちゃ、やべ~な、この音は」という罪悪感が半分あります。
一番興奮の瞬間は、半クラで、車庫から出る時ですね。「今日も結構、このクラッチは踏み応えがあるな~」って超嬉しい気持ち、ワクワク、ドキドキでスタート。1速からすぐに2速へと。。
「カチカチ、スパスパ」と決まります。この出発の瞬間、超レーシーな気分になります。
「やばい、エンジン温めるまで待てね~」
いきなり1速で高回転まで回してしまった。温まるまで待てって心の底でストップをかけています。
トラクションが効いた2速、3速を中心に御茶ノ水の街中を抜けていき、六本木を超え、目黒PCまでの道は実は結構、練習にいい道なんですね。適度なコーナーがあちこちにあり、シフトダウン、コーナリングの練習になります。
クラッチを踏んだ時の踏み応え、カチカチ、スパスパとギアが入る時の手に伝わる感触、それに合わせてエンジン回転を合わせて、中吹かし、ヒール&トウをしっかり入れてやり、トラクションを失わないように走っている時のGの感覚、コーナーを攻める時のへばり付き感、これらが一体となって体に何かが走るこの感触。
「これは麻薬だ」と運転中に、ニヤけてしまうこの何とも言えない気持ち。。。。
ポルシェって何でこんなに気持ちいいんだ。可愛いねえちゃんと酒飲んでいる時よりも遥かに気持ちいい。例えて言えば、前立腺がんで男性機能を失っても、ポルシェがあれば何てことは無いぜとまともに思います。そのぐらい、僕には面白いです。病的に虜になっている男達の気持ちがよ~くわかります。
恐らく、虜になっている人達は、間違いなく「スポーツ走行」を意識していると思います。
6月にはまたユイに行き、限界走行に挑みます。今度は、アンダーステアを出さずにコーナーを曲がり切れるか。。。。。 簡単ではないですが、挑戦を続けます。
夜中の2時に家に戻りました。
妻曰く、「最近、挙動がおかしいな~」って。。。。。。
あれっ、ひょっとして気づいてる????????
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