226. ボクスター981（素） VS BMW523iツーリングMスポーツ

BMW320Dツーリングを社用で使用して1年2ヶ月が経過しました。相変わらず、「どうってことないな～」って気持ちで運転していると本当に辛いですね～。クルマ好きにとって、どうってことないクルマを運転するのは本当にキツイです。


ということで、社用車を買い替えようと決心して、上位クラスのBMW523iツーリングMスポーツを１時間ばかり試乗させてもらう機会がありました。弊社の担当はいつも思うのですが本当に素晴らしい。飲み友達にもなっているのですね～、彼とは。先日はポルシェの年１回のホテルでの展示会も一緒に行って来ました。彼はまだ29歳です。「ケイマンGT4欲しい～。ボクスター欲しい～」って連発。BMWの凄腕セールスマンの中には、911で堂々と通勤する方がいらっしゃるのだと。。（笑）。数字を出していれば何をしてもいいのだと。。。　気持ちよい話でした。


その彼が、かなり前にM3の試乗車を一般道路、首都高速と1時間以上もガンガン走らせてもらう機会をくれましたが、今回もBMW523iツーリングMスポーツを一般道路、首都高速を1時間以上、ガンガンに走らせてくれました。これだけ乗ると本当に良くわかりますよね！　スバルやマツダ、レクサス、トヨタ等、皆、5分程度のディーラー店１周だけってのが多いから、よくわからんってのが本音です。ポルシェやBMWの試乗は納得が行くまでじっくり出来るので嬉しいです。


さて、BMW523iツーリングMスポーツですが、う～ん、弊社のBMW320Dツーリングとはまるで別世界だったですね。どこかの試乗記に、BMW523ツーリングとBMW320ツーリングはあまり差が無いと書いてあったので、「実際はどうなのかな～」って興味しんしんでしたが、試乗中に、その差が金額にして200万円はあることに納得でした。アメリカでも2万ドルぐらいの差がありますからね、両者には。


3シリーズと5シリーズは別モノであることが改めて認識できました。3シリーズは、「ゴトゴト、バタバタ」感が強く、ロードノイズもガンガンに入ってくるのに対して、5シリーズは、「ゴトゴト、バタバタ」感は無く、ロードノイズも抑えられていました。つまり、3シリーズは大衆車、5シリーズは高級車と言えるかなと思いました。10年近く愛しているランクルと5シリーズの乗り心地はかなり近いです。5シリーズの乗り心地をそのままに視界を100倍良くするとランクルかなと。。。　つまり、ランクルはやはり最高だという結論に至りました（自画自賛）。世界のランクル、やはりこれは間違い無いでしょう！　ランクルに10年近く乗っている僕にとって、乗り心地でそれに匹敵するクルマに出会ったことが無いです。同じマンションの知り合いが、先月、ランクル200を購入しましたが、驚いていましたよ。


「いや～、参った。これは最高の乗り心地ですね」と。彼は55歳近いのですが、これまではアウディのS8等、アウディの最高級クラスのセダンを乗り続けていた人です。その彼が、ランクルは最高で、もうたまらんとのことですよ。


僕は言いましたよ。「だから言ったじゃないですか。ランクルは長距離ドライブが最高で、疲れ知らずですよ」と。


ランクルの乗り心地のまま、視界を100倍悪くしたら5シリーズになります。こういう表現がピッタリきます。


確かに5シリーズは高級感がある走りでした。エンジン馬力も184馬力しかないわりに、全く不満がないほど気持ちの良い走りでした。路面の吸い付き感は、クラウンよりもありますね。ここは5シリーズに軍配があがるかなと。但し、レクサスと比較すると、互角じゃないかと。。。　あるいはレクサスのIS300ｈの方が若干あるかなと。。　LSとは比較にならんと思うのですが。つまり、LSの圧勝かと。。　あくまで僕の私見ですけど。。。


BMW5シリーズの走りは、静粛性がえらい高いですが、コーナーでの怖さは、3シリーズよりもありました。首都高速の高速コーナリングは、3シリーズは意外に気持ちいいのですね。怖さ感はボクスターとあまり変わらないというか、ボクスターよりも怖くないような気がするほどです。高速道路を直進すると怖いのですが、曲がると怖くないという面白いですね、3シリーズは。。。


5シリーズは路面インフォメーションが伝わってこないほど静粛性が高いですが、その分、怖さがありました。それでも、3シリーズと5シリーズのどちらがいいですか？　ってもし聞かれたら、僕は間違いなく「5シリーズが10倍いいです。価格差で200万円はありますが、これは間違いなく、その差はクルマ1台分違うと思います。200万円高いですが、それは妥当性はあります」と答えるでしょう。


例えば、女性を助手席に乗せるのであれば、5シリーズならばかなり深刻な話も社内で出来るほど静粛性が高いですが、3シリーズでは出来ないでしょう。実際、僕は妻と3シリーズで、車内で深刻な話をする気には全くなれないです。でも、5シリーズならば愛の語り合いも出来るんじゃないかと思うほど快適性が高いです。ここは大きな差ですね。


日本での価格では、5シリーズは800万円以上してしまいます。これは明らかに高級車の水準だと思います。それに対して、平均的な3シリーズは600万円前後ですよね。200万円安いです。アメリカですと、5シリーズが600万円弱、3シリーズが300～400万円弱となりますが、やはり200万円ぐらいの差はあります。つまり、3と5では、日本円で200万円の差があり、この差には妥当性があると僕は思います。実際、乗ってもそう思いました。3シリーズを乗って不満たらたらの僕が言うので、この評価は間違いないでしょう。これから買う方の参考になろうかと思います。


そんな風に、「BMWの5シリーズはなかなか快適じゃんか」と結論を出したのですが、やはり、BMWの昔の硬質な安定感みたいなものは感じ無いですね。静粛性が高まり、乗り心地もソフトになりましたが、Mスポーツでもスポーツ感はまるで感じませんでした。昔のBMWの方が遥かに僕には気持ちよいのでしょう。実際、新型のM3が僕にとって、乗用車タイプのクルマのベストな乗り心地でした。僕だけでなく、妻も「これは大変に気持ちよい乗り心地だわね、これならばいいんじゃないの」と価格の面を抜きにしてコメントしていたぐらいですから。価格を言うと、妻曰く、「乗り心地はいいけど、1200万円の価値は無いと思うわよ。えっ、アメリカでは600万円なの？　私もそれくらいだと思うわよ。600万円の価値ならばちょうどいいんじゃないの。やっぱり、アメリカ人ってよくわかっているわね～」と。。。


僕も同感でした。今は円安で700万円を超えてしまいましたね。つい数年前は500万円台でしたからね、あのM3が新車で。。。


5シリーズの2000ccの184馬力のMスポーツはスポーツ性はまるで無いですが、快適性が極めて高いというのが結論です。


そんな後で、ボクスター981の素のMTを運転すると、やはり別次元でした（爆）。


「う～ん、これは乗用車ではないな。スポーツカーだ」と！


何度乗っても、ボクスター981はやはりスポーツカーであり、乗用車ではないと思った次第です。


ギアを入れた瞬間からのワクワク感、昂揚感はボクスター981の特徴でして、5シリーズのMスポーツにはかけらも無い感覚です。


これをどう思うかでしょうね！


やはり、BMWの5シリーズのMスポーツと言っても、スポーツ感、ワクワク感、昂揚感はゼロに近いです。普通の乗り心地の良い乗用車の域を超えていないです。同じ感覚でボクスター981に乗ったら、まず「こんなクルマ乗れな～い」って家族から言われると思いました。ボクスター981は家族と乗るクルマではなく、1人で乗るクルマであることを再認識しました。


妻がボクスターの乗らない状態がもう2年半以上となりました。購入後約3年で、2回のみであり、今後も恐らく1度も無いでしょう。ボクスターがあること自体、妻はもう忘れているかもしれません。そのぐらい、家族からは愛されないクルマです。


もし、2シーターのオープンスポーツで一緒にドライブを何時間も付き合ってくれる女性がいたとしたら、その方は大変に貴重な方で、絶対に大切にすべきでしょう。日焼けする、化粧が乱れる、髪が乱れる、排気ガスが入ってくる、荷物はおけない、リクライニングできないっていうデメリットが女性には大きすぎるのでしょうかね～。。。。


女性にとっては最悪であり、妻も、オフクロも、姉貴も「2回目は無しです」って感じですよ。


そのお蔭で、僕は1人でのドライブを楽しめるということになるわけですが、嬉しい反面、悲しくもあります。


5シリーズを購入検討の方、3シリーズよりも200万円高いだけのことは絶対にあります。日本でもアメリカでも200万円高いのですが、その差の妥当性はあります。但し、ポルシェと比較検討されている方がいらっしゃいましたら、言います。5シリーズのMスポーツも全然スポーツ度は低いです。ポルシェとは絶対に比較しないで下さい。